デビッド・フィンチャー監督「セブン」（１９９５年・米国） by CXミッドナイトシアター

キリスト教の“七つの大罪”になぞらえた奇怪な連続殺人事件を追う二人の刑事を描いた
サイコ・サスペンスの佳作。
　　　　
若かりし頃のブラッド・ピットとモーガン・フリーマンの共演。
イントロからラストまで、気が抜けないはずなんだけど、犯人役がどこで出ていたかを結局は
探すことになり、最初は何となく通して見て、後から何度か見直した。
ブラピが写真を見つけ、「あのカメラマンか？」と気付くのだが、
どこで出てきたかが全く分からないのだ。
フリーマンと過去の話をしていた時に出てきた「名前を思い出せない」相手が彼なのか？
未だに僕は迷宮入りしている。

この映画は「後味が悪い」とよく評されているようだけど、後味の悪さで言えば、
ラース・フォン・トリアー監督の「ダンサーインザダーク」の方がはるかに上。だから、別に後味が
悪いという程の映画でもない。
この映画の上手さは、７つの大罪の残り２つを犯人と刑事に負わせた構成だろう。
結局、ラストシーンの選択を迫る為の２時間なのだ。

届け物が届き、「嫉妬」の罪を被る犯人がいて、「憤怒」に狂う警官。
あの場面、冷静に銃を置けるはずがない。
全てに気付くモーガン・フリーマンとは対照的に、取り乱してしまったブラピ刑事。
７つの大罪が完成する。とんでもない計画的・頭脳的・異常的な殺人事件。
こういうのは、ドラマならではの面白さなのかもしれないね。