メリークリスマス☆★★ [自伝書]
今夜は、クリスマス。
たまには、人に期待してもいいような気がする日。
簡単に思い通りにいかないのは分かっているけど、妄想するのが楽しい。
アクション計画は、１ヶ月前だった。
まぁ、常連だから愛想がいいのは分かっているのだけど、
こちらが意識したことは、その時まではなくて、サインをくれたのは相手からだった。
最初は、アイスティーを出してくれる時に「こんにちは～」と。
きょとんと無愛想に、僕はいつものように受け取ったのだけど、
「あっ！」
「常連だから、知らない間に覚えられていたんだ」と、席に着いて気付いた。
こういうことって、行きつけの店ではよくあることなんだけど、
その場合、大体僕も相手を覚えている。
ところが、
彼女はそこが違ったから意外に映った。
カフェのチェーン店では、機械的な対応になりがちなんだけど、彼女はそうではなくて。
次に行った時なんて、他の人のドリンクを作るのを止めて（いいのか！？）、
おまけにレジを担当していた人と代わり、
即座にアイスティーを用意してくれて、
僕は、その様子に少々驚いた。
というか、その行動がとても愛おしく見えた。思わず笑ってしまった。
彼女がいる時には、他のものを頼めないなぁとか思ったりして（笑）。
人恋しい寒い季節。
なのに、人に冷めている僕。
珍しくアクションを起こそうと決意した。
ところが、決意してから２週間パッタリと彼女の姿が見えなくなる。
「あ～、辞めちゃったのかぁ」と思っていたら、世の中そういうもんだとひねくれる。
寂しい感情。もう１度、会いたいなぁという感情。
辞めたかもしれないけど、それでも、しつこく通ってみる。
仕事の休憩ではなく、彼女の姿を探しに行っている自分が確実にいた。
そしたら、３週間目。
再び彼女が帰ってきた。
辞めていなかった！！！
内心、喜んだけど、
彼女は、もう僕のことなど忘れてしまっていたようだった。
「そんなもんだよな。」と心の中で呟いた。
ところが、
翌日行くと、僕の姿を見つけるや否やアイスティーを用意してくれた。
「アレ？」
思い出してくれたのか？
そこにいたレジに子に、二言三言。
何を言ったんだろう。
レジで、なんでこんなに見つめ合うのだろう？
この間が、なんだか嬉しくて恥ずかしい。
今日は、クリスマス。
少し夢を見たい。
久しぶりに、自分の「心（ハート）」が動いた衝動を無視しない。
彼女が出勤していたら、渡そうと思っていたラブレター。
やじプラ占い第１位の射手座。
めざまし占い第３位の射手座。
そういうのも後押しするね。
今日は、すごい！彼女が休憩に入るタイミングで店に入った。
レジ越に前ではなくて、僕の後ろというか斜め左隣にいる。
最接近。
微笑む表情は、めっちゃ可愛い。
「休憩ですか？」と、
たまらずに僕から声を掛けた。「はい」と頷き返す笑顔がたまらなく可愛い。
迷ったけど、彼女がいたんだから、予定通り勝負。
逃したくない。
クリスマスというロマンティックな空気も後押ししてくれた。
ぶっちゃけ、これだけ可愛いのだから彼氏がいるだろう。
むしろ、客として僕を覚えてくれただけだろう。
毎回同じものを頼めば条件反射だ。
勘違いさせたことを悔やむかもしれない。
そんなのは分かっていても、伝えたい衝動。
彼女の休憩上がりを狙う。
なのに、忙しそうで直接渡せない。
こういう時は、周りをよく見る。
咄嗟の判断。
洗い物をしている子に橋渡し役を頼んだ。
勇気を出して、
「Ｎ．ＡＹＡさんへ」
という手紙を本人へ渡すようにお願いした。
メールでもいい、電話ならめっちゃ嬉しいけど、話すことに困って緊張しそうだ。
コンタクトが来る・・・？
そうした期待は、今まで幾度となく裏切られてきているのに、バカだよな。
でも、
クリスマスぐらい夢を見て、妄想してもいいじゃん。
明日になったら、もう、あの店のことも彼女のことも忘れて、うん。
無視されたら、
会いに行く勇気なんてさすがにないよね。
あー、行動したら、めっちゃ会いたくなった。
３２歳～３３歳にかけて、こんな純愛があったことを、ここに記録しておく。
人は、恋なくして生きていけない。
人に恋をすると、元気になる。
恋をして、期待して、その通り成功した試しがない。
問題は、休憩に行く店を来年から替えなきゃいけないことだ。
「スクールカウンセリング」の講義で学んだことなんて起きない。
行動抑止力は、論破されても、こんなのの積み重ねから働くのだ。
それが成長じゃないの。
どうせダメだろうという「諦め」を知っているのが大人の証だと思う。
でも、うまくいく奴はいくんだよね。
頼むから、覚えないでくれ。勘違いさせないでくれ。
すぐ勘違いしてしまう自分が悲しい。
