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25~27話:涙のクライマックス。許されぬ陰謀。奇跡と悪夢。火種を消すということ。究極の片想い。これで前半の部は終了。 [宮廷女官チャングムの誓い(大長今)]

運命。こんなに素敵な運命があるものなのかー。
ハン尚宮とチャングムがお互いの真実を知り、抱き合う場面。チャングムがハン尚宮を見つめて
「ママニム」と涙をこぼしながら語る一言がたまらない。
このシーンは、ヤン・ミギョン(ハン尚宮)さんが必要以上に号泣をされたそうで、
何度かイ・ビュンフン監督がNGを出したらしい。本当に、このシーンは何度見ても泣ける。
その後に、ミョンイのことを嬉しそうに話すハン尚宮と母のことを嬉しそうに話すチャングムの
姿がまたいい。こちらまで笑いが止まらず、嬉しさで胸がいっぱいになる。

しかし、全てがチェ一族にもバレ、チャングムの身の危険を感じたハン尚宮は、
チェ尚宮を太平館へ派遣し、危機を回避しようとするのだが、陰謀を企む人間を相手に、
素人が勝てるはずがないー。
束の間の、至福の喜びは、すぐに悪夢を呼ぶものなのか?
  

事は起こった。これからのドラマの主軸になる「硫黄アヒル事件」。奴婢のホンまでを利用し、
中宗王の病の原因を水刺間に押し付ける内医院と食医。原因が分からないことを聞きつけた
チェ・パンスルは、医官を唆し、水刺間に全責任を負わすことを企む。
これに、更に趙光祖にも罪を着せることを絡めることで、オ・ギョモ勢力が保身に走る。
大きな勢力を、いや邪魔な勢力を完全に消すということ。
さもなければ、残った火種は燃え上がる。
チェ尚宮は語る。
クミョンに曰く、「火種は完全に始末しなければならない。」
ハン尚宮に曰く、「ミョンイは私にとって怖れなの。」

チェ一族は、ミン・ジョンホまで処分したかったが、クミョンが心の内を明かしたことで、
ややこしくなる。
クミョンの片想いは苦しくも美しい。好きに理由がなく、他の人では代替できない
恋の苦悩をホン・リナが完璧に演じている。
「ジョンホ様まで私から取り上げるのであれば、この足で義禁府へ行きます」と、
一族を脅すのだ。ここで「Apna」のテーマ曲が流れ、静かに部屋で座るクミョンが映される。
この演出がまたたまらない。視聴者が見たいものを正確に魅せる。それ以上の演出だろう。
また、チェ尚宮が兄に言う。「兄上に女官の気持ちは分からないでしょう」という台詞が絶妙。
チェ・パンスルは、バカ笑いした後、クミョンの気持ちを汲み、ターゲットを変える・・・。
実は、この一族、悪い奴等だけど、身内には情がある。優しい一面をこれまでに何度も
見てきた。

ハン尚宮とチャングムは大逆罪で済州島への流刑処分になる。
ヨンセン、チャンイ、ミン尚宮が見送る中、チェ尚宮とクミョンも静かに2人を見送る。
2人の目にも涙。悪いことなんてしたくなくても、一族の為にしなければならない苦痛。
チェ尚宮は、「死を選んだのはあなた。私に逆らい、権力に逆らった。生きる機会はあった。
ミョンイも同じ。これ以上私にこんなことをさせないで。静かに逝って。」と牢でハン尚宮に
冷たく語った。苦しみの度合いは違うが
悪事に手を染めなければならない理由がある者
vs,不正と叩くという任務を背負ったチョン最高尚宮の志を受け継ぐ者
の激突という構図。
光と影。明と暗。
チョン最高尚宮がハン尚宮へ送った最後の言葉を思い出す。
「宮中は常に人で賑わっているが、華やかな宮中の中は孤独だった。」
宮中という言葉は現代の都会を表しているようだ。
「寂しさに耐え切れず嫉妬深くなるのかもしれない。」

チャングムを生かすために、ウソの自白をし、ムチ打ちで体力の限界だったハン尚宮は、
大親友だったミョンイの娘チャングムの背中で息を引き取った。
「私は先に宮中に戻ってるわ。チャングム、必ず宮中に戻って。侘びはそこで言うわ。」
チョン最高尚宮からの志を受け継いだハン最高尚宮のあまりにも悲しい死。
「悲」のテーマ曲と済州島への船までの道をスローモーションにし、ハン尚宮を背負い
歩くチャングムと一行のシルエット映像演出が涙を誘う。

前半の部は、ここで終了。水刺間での大長今は終わり、
いよいよ実在の人物、医女・大長今を本格的に描き始める。
そして、チャングムとミン・ジョンホの格好いい理想のラブストーリーが静かに動き出す。


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葵ママ

あれは、ドラマの中でも屈指の感動シーン。演じている役者本人がウルウルしちゃうのも致し方ないでしょう。それぞれの思い出話を語り合うシーンは確かに微笑ましくてこちらまでニコニコしてしまうのですが、視聴二回目以降の私としては次の科白に涙腺ゆるみっぱなしでした。

「そうだったの?ミョンイったら。私が全部ばらすとも知らずにそんなことを言ってたのね?」
「はい。今度、母に会ったら怒ってやってくださいね。」
「もちろんよ。そうするわ!今度、会ったら怒っておくわ!今度、会ったら、今度、会ったら、今度、会ったら・・・・・・。」
「尚宮様・・・・・・。」
(抱き合い、涙する2人)

・・・・・・尚宮様、もうすぐ会えますよ。ミョンイはもちろん、チョン尚宮様にも。ただし、あの世でね(>_<)。

“陰謀”にかけては、確かにチェ一族の方が一枚も二枚も上手。ハン尚宮さまってば所詮素人。ヨンノを詰問した辺りはかなりまずいでしょう。こちらの握ってる情報をばらすようなものですから。まあ、賢い方なので危機感を抱いてチェ尚宮、クミョン、ヨンノを強権発動で太平館へ追いやり、念入りにも追加措置(外出禁止、実家との連絡も不可、食材は水刺間から届けさせる等)まで発令したのだけど・・・・・・。

王様の湯治も、最初は和やかに始まります。ハン尚宮様は、チャングムをミョンイの実家に案内して、生涯かけた親友との出会いをしみじみと語ります。ここも大好き。でも、その帰り道でチェ一族の差し向けた刺客・ピルトゥ登場。この方、チャングムの子供時代からチェ一族の崩壊まで登場されてるんで、少なくとも20年以上は経過してる(「教えて!チャングム」のチャングム年表より)んですが・・・年とりませんねぇ(笑)。そこへチョンホ様の副官が颯爽と現れて救出。お気の毒に、こんな時間外勤務引き受けたばかりに、この副官は悲惨なとばっちりを喰らうことになってしまう。

そしていよいよ、悲劇の開幕。上機嫌で宮殿にお帰りになった直後に高熱を発して病床に伏す。宮中は蜂の巣をつついたような大騒ぎ。内医院も水刺間も右往左往する陰で、チェ一族の陰謀がいよいよ本格的に始動。治療が一向に功を奏さず、焦りの色濃い侍医とチョン・ユンス医務官をも自分たちの側に取り込んでいくパンスルの手腕は実に見事。窮地に陥ったハン尚宮様とチャングムを救うべく、チョンホ様も調査に乗り出し、内禁衛府の長官様まで動かして、硫黄アヒルの試食実験をさせるところまで漕ぎ着ける。

ところがどっこい、ここはクミョンの機転でものの見事にひっくり返されてしまう。彼女の周到さは、伯母であるチェ尚宮よりも大伯母に当たるかつての最高尚宮様並。まずは手先であるユン・マッケを試食の場に上手いこと潜り込ませ、しかもホンイまで利用する。試食する役目がマッケに回ってこなかった場合の用心として。ホンイを目立たせるため、計画の一部始終を記した手紙を女官長に渡せと命令する。もちろんどちらが試食しても、高熱を出させる薬を仕込んだアワビを食べさせてあるので大丈夫!というわけ。

薬剤師である私としては、アワビに何を仕込んだのか是非知りたいっ!マッケもホンイも虚弱体質ではなさそうなので、基本的には虚症の人間に服用させる生薬を使えばいいのだと思うのだが・・・教えて、クミョン!!(って、無理か。勉強するしかないな)

でも、ここまで悪女ぶりを発揮しながらクミョンはチョンホ様まで始末しようとしているパンスルとチェ尚宮に最終手段を行使すると脅す。これにチェ尚宮が同調する辺り、視聴者としては少し意外な感じもするでしょうが、同じ女官としての共感以上に、彼女が根っから悪人でないことを暴露しているようにも思えます。

27話で、パンスルがパク・プギョムに「ハン尚宮とチャングムを死刑にしてもらうようオ・ギョモ様に頼んでくれ」と懇願しているシーンでその場に現れたチェ尚宮は、何か言いたそうにしながら結局口ごもる。おそらくは、その前に獄中のハン尚宮を訪ねた時に心動かされたのではないでしょうか。かつての友、チェ・ソングムを責めながらも、「自分は何も語らず死ぬから、ミョンイノ娘であるチャングムだけは助けてくれ」と涙ながらに敵に情けを請うハン尚宮。チェ尚宮の“善の心”がここで揺さぶられないわけがない。

かつて、ミョンイの死に涙したソングム。そしてまた同期の友であるペギョンを死に追いやり、ミョンイの娘まで手にかける気なのか!・・・このハン尚宮様の命をかけた弾劾の叫びにさえ動じないものがいるとしたら、それはもはや“人間”ではありますまい。結局、ハン尚宮とチャングムへの死刑判決を覆したのはチョンホ様のお手柄でしたが、流刑に処される2人をそっと見送るチェ尚宮とクミョンの表情は、安堵と不安と良心の呵責が綯い交ぜになっているようで実に複雑です。

そして、第27話は視聴者の涙腺を全開させてもなお足りぬほどの悲しいシーンで終わります。段々と弱っていくハン尚宮様の気配を背中に感じながら、それでも必死に声をかけ励ますチャングム。それはまさに、息絶えた母の口に噛み砕いた野いちごを入れてあげながら、呼びかける幼き日の姿を思い起こさせ、更に視聴者の涙を誘う。産みの母を失った悲しみも大きいけれど、この育ての母の死はなお辛い。「尚宮様は薄情なお方だ」と責め、「もう私休みますからね。尚宮様の言いつけは守りませんからね」と心の中で叫び続けるチャングムの絶望感。何度観ても胸を締め付けられます。

余談ですが旦那の職場のチャングムファン仲間(中年男性)は、このシーンで号泣する奥様に「何も泣く事無かろうに」と不用意にも言ってしまい、大激怒されたそうです。そりゃあまりにも迂闊ですよねぇ(-_-;)。
by 葵ママ (2008-02-10 23:53) 

ハートウォーミングキッド HWK

台本に呑まれてしまうことがこのドラマではよくあったそうですね。
「チャングムの誓いのすべて」の著者で監察内侍を演じた
李京源さんがラストシーンは台本に呑まれたと著書の中で
語っていました。感極まってしまうのも致し方ないところなんでしょうね。
そういう物語と出会ったここに出演されている全ての役者さんが
羨ましいです。
皆さん、実力があるし、巧いし、面白い。キャスティングからして
素晴らしい作品だったことが分かります。役者とその役のイメージも
完璧。
葵ママさん、いつもコメントありがとうございます。
あと8回くらいアップさせることになるので、お付き合い宜しくお願い
致します。
by ハートウォーミングキッド HWK (2008-02-12 00:25) 

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