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13~15話:仲間を思いやるということ [宮廷女官チャングムの誓い(大長今)]

クミョンの様子がおかしい。ヨンロから、ハン尚宮がチャングムにどんな指導をしているかを
聞き出すと、こっそりその方法で料理の練習をする。
師匠であり、叔母であるチェ尚宮をこの時点で見切っていることが伺える。
使えない上司、話にならない上司、バカな上司、合わない上司は、どこかで見切らなければ
ならない。上にいるから素晴らしいということはないのだ。尊敬は強制してしてもらうものでは
なく、自然と信頼され尊敬されている状態が素晴らしいのだ。
前職時代には、先輩だからという理由だけで、尊敬の強制を求めてきた人間が多くいたが、
相手にせず見切った経験が自分にもあるから、このあたりの感情はよく分かる。

物語は、次期水刺間最高尚宮を決める料理の競合戦(チェ尚宮vs,ハン尚宮)へと動き出した。
味覚の戻らないチャングムに、ハン尚宮は上級女官として自らの助手を要請。それを拒む
チャングムに「味を描く才能があること」を伝え、味覚なくして料理を作れるよう訓練を始める。
チェ尚宮のスパイになったヨンロは、クミョンにそれを伝え、何も知らないクミョンはそれを
真似たのだ。

医書を読み明かし、ミン・ジョンホに慰められながら、味覚を取り戻すに至る。
頼りになったのが、ウンベクだ。
多栽軒で蜂の針の効能を研究し始めたウンベクがチャングムの味覚を救った。
そうだ、またもやここでウンベク登場。チャングムから味覚が戻ったことを聞くと大喜び。
チャングムは、ウンベクに手料理を振舞った。ウンベクに尽くすチャングムの姿が好きだ。
こういうのもなんか分かるのだ(自分の経験から)。

一方、チェ尚宮は、チャングムの味覚が戻ったことを知らず、チャングムの追放を要求する。
赤っ恥をかいたチェ尚宮演じるキョン・ミリの動揺が見物だ。こういう意地悪を仕掛けて
くる人は必ずいる。

物語は、少しずつ、ミン・ジョンホとチャングムのラブストーリーを動かしにかかる。
親友のヨンセンからのヒントを元に、お礼と共に夜食をジョンホに渡すチャングム。
自信を失ったクミョンもジョンホを訪ねる。料理とは、人が喜ぶ顔を想像して作るもの
という助言で勇気付けられる。少し前にチャングムがジョンホに言ったことなのだが。
いよいよ三角関係が動き出す。

チョン最高尚宮は、皆を集めて諭した。
「チャングムは自らの危険を顧みずに元子様の麻痺の原因を調べて味覚を失った。
料理人として料理がどう作用するかを調べるのは重要なこと。水刺間に味覚のない者
がいてはならぬが、苦楽を共にする仲間としてチャングムを慰めるべきだった。
だが、苦しむチャングムを追い出そうとしたことを皆が反省せねばならない。
今日は部屋に戻ったらチャングムのためにごちそうを振舞おうではないか」

本格的な競合は、これから。まずは、チャングムの慢心からハン尚宮が負ける。
負けた理由をハン尚宮が大妃様に言うところで、15話が終わる。

なんでこんなに面白いのだろう。愛して止まない物語だ。


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葵ママ

チョン尚宮様を演じたヨ・ウンゲさんは元々舞台出身だそうですね。私は演劇のことは詳しくありませんが、彼女の演技には深みと凄みを感じました。失敗しても撮り直しのきくテレビや映画とは違い、目の前にいる観客の視線と反応をダイレクトに浴びる舞台。一度動き出したら止まることも、やり直すことも出来ない舞台の上で、動じることなく、一つの世界を構築していく。生半可な役者にはとても耐えられますまい。

私は、最高尚宮になると決まった後、ネシブの長官様と交わした短い会話が忘れられません。

「水刺間の最高尚宮になったそうだね?」
「はい・・・・・。」
「どうした?一人遊びに飽きて人形遊びでも始めたくなったのかね?」
「はい・・・・・。一人で遊ぶのに疲れましたので、皆さんに遊んでもらおうかと」
「それは面白そうだな。天下のチョン尚宮が人の手の上で遊ぶとは。こりゃ見ものだ!」

するとチョン尚宮様は悪戯っ子のような笑顔でさらりと言ってのける。

「どうか、見物にいらしてくださいませ。」

これに応じる長官様も粋なもので、

「チョン尚宮、私の負けだ」

・・・この場面、大根役者が演ったらそれこそ洒落にもなりゃしませんよね。あのベテラン俳優同士だからこそ出来たことだと思います。共に長く宮中で生きてきた二人の友情関係、阿吽の呼吸。そして、長官様の気遣いと、チョン尚宮のさりげない決意表明が、何気ない会話とごくごく自然な表情の陰に感じられるのです。

「大丈夫かね、チョン尚宮?」
「ええ、あなたの鑑賞に堪える舞台を務めて見せますよ。お楽しみに」

チョン尚宮が亡くなる間際、チャングムは「まるで、本当のおばあちゃんのように思ってた」と言いますが、クミョンにとってもそれは同様だったのではないでしょうか。食事を受け付けなくなった公主に炭で臭いを取ったお粥を差し上げることを思いつき、見事に成功してチョン尚宮様に褒められたクミョンは本当に嬉しそうでした。そして、「実は、チャングムがヒントをくれたんです」と素直に報告しています。本来、彼女は純粋に料理の道で精進し、真心込めて王の御膳を作りたかっただけなのでしょう。そんなクミョンにとって、チョン尚宮様が最高尚宮であった時代の水刺間にはつかの間の安らぎがあったのかもしれません。

チョン尚宮が宮中を去るとき、チャングムにもクミョンにも試練の時が訪れます。人は信念に従って生きたいと思いながらも、世のしがらみに流され翻弄されてしまうもの。信念を貫き通したが故に非業の死を遂げたハン尚宮、苦難の人生を送るチャングム。勝者として時めき、我が世の春を謳歌しながらも、富と権力を握りしめたその手にこびりつく犠牲者たちの血糊と涙の重さに怯え続け、破滅への道を辿るチェ尚宮とクミョン。でも、視聴者はどちらにも思いを寄せます。この世には、絶対的な善もなければ悪もない。ただ、生きていかねばならない人生があるだけ。ドラマの登場人物たちがそれぞれの道でもがき苦しむ姿は、そのまま我が身の写し鏡のようにすら思えるからです。
by 葵ママ (2008-01-17 00:12) 

ハートウォーミングキッド HWK

ヨ・ウンゲさんの圧倒的存在感は舞台で培った訓練の賜物でしょう。
僕も、あの2人のシーンは好きです。
舞台役者は本当にすごいと思います。
アマチュアレベルで若いうちだけやるなら、それはそれで楽しいの
ですが、プロのレベルで50歳、60歳までなんてそれは並大抵の
好きでは続けられないでしょう。味というのも40歳を過ぎてから
出てくるようです。
演技者の身体が出来てて、個性を光らせる技術があること。
これがプロです。
映画やテレビは1回OKが出れば、2度と同じ芝居はしなくて
いいのに対し、舞台は生もののなので体調や雰囲気に左右され
ることもあります。だから、TVや映画のみならず、舞台でも活躍
されている方は本物です。舞台ではごまかしができません。
下手はバレます。
定年がなく、またいつでも好きなときに始められるのも演劇の
良さです。自己啓発にはいいかもしれません。
by ハートウォーミングキッド HWK (2008-01-17 23:47) 

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