下北沢演劇祭で、KAKUTA初観劇 [観劇日記]
上手い。巧い。面白い。
頭から面白い。
脚本家がリレー方式で1本の作品をつなぐという実験的芝居ではあるけれど、
最後にしっかり繋がった。
誰かを意識した自分の人生を振り返る。
あなたが、私からいろんなものを奪う。
背伸びしてしまう生き方、自分に恥じてしまう。見栄とかね。
友だちってなんだろう。
お互い変化しながら、戻れないと思っていた場所に戻ってきた。
また、始めよう。
過去から現在へ。そして、未来へ。
桑原裕子の天才的な芝居。笑い。ユーモア。劇場で久々に爆笑した。
こりゃ、すごいわ、才能あるわ。脚本家や演出家としても人気だけど、
役者もやらなきゃもったいないな。
若手演劇人の登竜門とされる「ラフカット」から生まれた人たちー。
数少ない成功者の1人だね。
今日は中野ザポケット [観劇日記]
劇団勇壮淑女の第6回公演「もっとその時はロマンティック」。
女性だけの演劇集団。
ベテランから若手まで幅広い女優陣から放たれるエネルギー。
笑いどころいっぱい。
元気をもらった感じ。
相原さん、お疲れさまでした。なんとか中野まで足を運べました。
Q印象に残った人?
きぬさやを演じてた人。めちゃめちゃ笑いのツボ知ってるわ。
テンション落差法。ほかの役者と違う個性(落ち着いている、周りに合わせない)を出す
ことで、面白い人に見えてしまう。ちびまる子ちゃんで言うと、野口さんみたいな感じかな。
Q恋人にするなら?
この中なら、朝美役が一番かわいい。公演後にロビーで見かけて握手したいと思った。
そんな勇気はなかったけどさ。
スターダストの栗田萌も売れる感じだけはするな。
だけど、可愛いだけじゃ許さない劇団の厳しさが見えた。
Q3800円の価値?
どうだろうね。作風という個人の好みにもよるだろうけど、
そうでなくても前から2列目だったし、個人的には満足できたかな。
ちょいと強気な値段な気はした。
下北沢演劇祭2012 [観劇日記]
それは地球から遠く離れたネパンタール星にある小さな街。
我々人間と姿形はほとんど変わらない人々が、ささやかな毎日を送る街。
そんなネパンタール星にひとりの女がやってくる‥‥。
東日本大震災からまもなく1年。
ひとは何を信じればいいのか、何を行えばいいのか‥‥
答えのない問いに、かすかな希望の光を見出せたら‥‥
演劇の街、
演劇の聖地、
毎年開催される演劇祭。
今夜は、北沢タウンホールで「星の街の花嫁」を観劇させてもらった。
新百合ヶ丘というところで活動する川崎市民グループの公演ということで、
見る前から過剰な期待はしていなかった。値段も手頃だし。
しかし!
地球ではないという設定が!ファンタジーな空間を舞台にした芝居が!
自然と描かれていて、そこに無理がない、
終わってみれば、十分満足できる、希望の持てる音楽劇に仕上がっていた。
脚本力然り、演出力然り、そして出演している役者力然りなのだ。
市民劇団とはいえ、相当鍛えているということが分かる。
音楽劇なので、「歌」や「挿入曲」が多分に使われているのだけど、優しい旋律で、
耳への残りが心地よい。物語とかけ離れた曲ではなくて、
これしかないだろうというくらい、物語にマッチしていた。
「結婚は、周りの人を幸せにすることがこの星のルール」
「希望の持てる人は幸せだ!」
この2つの台詞は、印象に残った。
残念だったのは、客のマナーの悪さかな。
まずは真後ろの客。
小さい子連れで来て、飴を食ったり、袋を開けたり、鞄のファスナーを開けたり閉めたり、
子どもがやたらと母親に質問していたり、椅子で変な音を立てて遊んだり、
集中力を削がれた。
それから、舞台のカメラ撮影の準備をしている音。
加えて、遅れてくる客の足音や何かにぶつかった音。
こういう市民劇団の公演ということで、初観劇の人もいただろうけど、マナーは守ろう。
演じている役者には失礼なこと。
お金を払っているとはいえ、TVや映画じゃない、同じ空間にいて、
お客である我々も一緒に舞台を創り上げているのだよ。
第2回日韓演劇フェスティバル 「トンマッコルへようこそ」@アウルスポット [観劇日記]
拝見した。
舞台レベルの高さ、メッセージ性の強さは、今でも記憶に残っていて、
今回も期待して足を運んだ。
予想通り、それは優れた上質の舞台だった。
演劇で、実験的要素な芝居というのも歓迎するけれど、このような壮大な舞台セットで、
きっちりとした「『物語』が見たい」自分には、刺激的な公演だった。
まさか、脚本家のチャン・ジンが緊急来日しているとは思わず、サプライズ登場に興奮し、
アフタートークで彼の話を聞けたのは貴重な時間だった。今日だけのようで、
ちょっと得した感じがしたし、韓国の大物脚本家の姿を生で見られて非常に幸せだった。
是非ね、韓国のソウル・大学路で、韓国小劇場の演劇を見てみたいと思った。
さて、作品だけど、
映画のプロットを読んだだけで、泣ける感じがして、その予感通り、
泣ける舞台に仕上がっていた。
1950年代の朝鮮戦争時、戦争を知らない村で起きた不思議ともいえる、奇跡的な
心温まる交流を描いた作品。
娘の回想録で綴られていく展開。
・敵同士が自己紹介し、握手した瞬間
・連合軍から村人を救った瞬間(流れ弾でイヨンが死ぬ)
・ラストで村人と敵同士が一緒に写真を撮るシーン(冒頭へ繋がる)
これら3つの場面が、脳裏に焼きついたまま。
戦争の前に、人は人である。
今なお、緊張状態(休戦)中の朝鮮戦争。
「トンマッコル村」は、こうした緊張状態が続く今、韓国人が求める理想郷なのだね。
笑いと涙に満ち溢れた2時間だった。
トークの中で分かったのだけど、演出を担当された劇団・桟敷童子の東さんって、
新宿梁山泊(金守珍主宰)にいたそうで、演出を任されたのは、そうした縁もあったのかも
しれないですね。
最近、数多くの演劇賞を受賞し、将来の日本劇界をリードするであろうといわれる
有望な演出家の1人。
「龍馬を殺した女たち」@ザムザ阿佐ヶ谷 [観劇日記]
前回、このユニットさんの公演に足を運んでいたで、なんとなくだけど、
こんなものを描きたいという「感覚」の部分は、伝わった。売りにしている、
新感覚ミュージカルと謂われるところ。
1列目で楽しませてもらった。
いい感じの舞台。ミステリアスな創作劇の中に、詰め込まれた笑い、ダンス、歌、コント。
見ていることに苦痛を感じない。
作・演出家の方が、自分より年下で、あまりに綺麗な方で驚いた。
50代前後の人がやっていると勝手に思っていたので。
アフタートークというのは、これくらいが丁度いいなぁと思った。
つまらない芝居を観て、腹立って帰って来た [観劇日記]
始めの5分で「これはつまらん芝居になるな」と予感した。
それは、終演した1時間40分後に的中していた。
眠くなる程、流れが悪い。
中身がない。意味不明な演出。
下手くそ。
展開が最悪。
つまらなくても、3500円分の頑張りが見えない。
いいか、3500円+交通費だ。
しかも時間をかけて。
つまらん脚本でもなんとかしろ。
頑張ってるんだろうけど、役者力が著しく低いのか。しょうがないのは分かっている
けれど、時間と金の無駄。
おまけについてきたトークショーでは身内話。ふざけるな。
稽古場なんて、きつくて当たり前だ。何を偉そうに。
こっちは早く帰りたいんだ。
20分どころか、いつまでやってんだ。時間を守れ。つまんない司会。
司会の人間は調べたら自分より1つ上だった。
なんでたいしたキャリアも無いくせに偉そうにしてんだ。
周りの役者に敬意を持てないのか。こいつだけは、殴ってやりたいと思った。
興味のない稽古場話。無名な新人役者のつまらん挨拶。
客をバカにするのもいい加減にしろ。
途中で脱出させてもらった。
Unit Blueju第3回公演 「似非紳士」 @ 赤坂レッドシアター [観劇日記]
想像以上、
期待以上に楽しい時間だった。
演劇の中に、ミュージカル、日本舞踊、ダンス、映像を贅沢に取り入れ、
それが面白いくらいに調和していた。
作・演出のすごさが分かる。
それをこなす役者のレベルの高さ。クオリティの高さ。
川久保拓司と石橋貴明の前妻の娘、穂のかが主演していることから、
以前からマスコミでも取り上げられていた作品。
出演者は、昭和音楽大学(付属のミュージカル科)出身の人が多かったね。
志村けんというお笑い界を超えた伝説のエンタータイナー [観劇日記]
初めて足を運んだ銀河劇場。
天王洲アイル。
新宿から埼京線のりんかい線に乗り換えて、1時間半。
けっこう遠い。
チケット8,500円を投入した。
憧れの志村けん師匠を見たかった。
バカで笑えわせてくれるおっさんという存在だった小中学校時代。
今夜は、尊敬の眼差しで、生きる伝説「志村けん」を見た。
2部構成で、3時間15分。
客も覚悟しなければならないが、出演者は、もっと過酷だ。魂だ。
1部のバカ殿、コントライブはお馴染みのものを舞台で魅せる手法を採り、
FANにはたまらない時間だった。TVでやっているものを生で見られる感動。
生だからこそ、余計に面白く感じる。
「バカ殿」や「ひとみ」、「変なおじさん」は、志村けんが演じ創り上げた奇跡の
キャラクターである。
それから、よく考えたら、ダチョウ倶楽部も初見だ。
僕の中学時代から変わらない芸風。お馴染みのギャグ連発。
「どうぞ、どうぞ」「ヤー」、生で見られたら、こちらも得した気がした。
第2部は、志村けんの三味線演奏披露でスタートした。
2曲の演奏は、感涙するくらいの素晴らしさだった。
2曲目の「風林火山」はピアノとのコラボレーション。芸の幅広さを見せてくれた。
最後は、1時間の松竹新喜劇「初午の日に」。
笑えて泣ける人情悲喜劇。こういうの好きだ。やられたね。
最後に、喜劇役者としての志村けんを魅せる。
サプライズは、おまけの大爆笑。
内容の濃い、「魂」のこもった、感動的な舞台に仕上がっていた。
明石家さんまというお笑い界の生きる伝説。 [観劇日記]
明石家さんまプロデュース
「今回もコントだけPart.16」 @ 恵比寿ガーデンプレイス
初めての鑑賞は、1997年の冬(PART2)。大学3年の時。
銀座の博品館劇場の1列目端で見たことがある明石家さんまFAMILYの生LIVE。
2001年には、今回と同じこの恵比寿ガーデンプレイスで見た。
そっか、かれこれ10年くらい前になるのか。。。
今回は、通算3度目の鑑賞になる。
客席は超満員。
すごい熱気。
もち、プラチナチケット。
幕が開くと、
長~~いオープニングトーク!
まだ、始まってないんだ???と、客を笑わせる。
震災の話を毒なく、笑えるネタにしてしまうすごさ。
さんま師匠のすごさは、アドリブなのか、脚本があるのか、前回公演と何が違うのか
客に悟らせないところにある。
昼公演を終えて、村上ショージやラサール石井、山田花子、ジミーちゃんなんかは
舞台上で明らかに疲れていた。
逆に、明らかに元気に見えたのは、さんま師匠だけ。
TVで、若手芸人さんが、
「聞いてはいましたけど、さんまさん、ほんまに飛行機の中で、
ずっとしゃべりっ放しなんですね!!」
なんてのをネタで聞くけど、ネタじゃなくて、
本当にしゃべりっ放しなんだなぁと改めて思う。
「ギャラは義援金、ただでさえ毎年私どもにはお金にならない興業ですので、今回は、
すいません、手を抜かせてやらさせて頂きます。ただ好きでやっている舞台です。」
こんな最初の挨拶は、それこそ嘘。
3時間半の興業、2時間でも十分満足できる。
大爆笑して疲れたけど・・・、
いやいや、
たくさんのエネルギーをもらいました。
スタッフ アップ プレゼンツ「社長、絶対絶命ですっ!」 @ 恵比寿エコー劇場 [観劇日記]
劇場は、チラシの地図で見ると少し距離を感じたけど、実際はすぐ。
面白いくらい近かった。
何年か前に1度来たことがあるんだけど、記憶にないわ。
舞台は、誘ってくれた知人、1人だけをとにかく見ていよう!と思っていたのだけど、
「華」のある役者さんばかりで、あちこちと目がいってしまった。
秋本奈緒美 × 大和田獏というベテラン俳優+小劇場の若手俳優のコラボレーション。
小劇場でやるには贅沢な公演。
だけど、小劇場だからこそ、
若手俳優にとってベテランと共演という機会(経験と成長)がある訳で、
そこには「夢」がある。映画やTVでは、芝居をゆっくり見れないし、対峙するのも大変だ。
秋本さんは、多過ぎるだろうと誰もが思うくらい多くの台詞を完璧にこなし、おまけに
歌まで歌い、2時間の舞台に出ずっぱりという過酷な役を演じきった。
頭が下がるよね。
獏さんは、生の芝居を初めて見たけど、めっちゃ面白い。
地に足が着いていて、無駄な動きが何一つない。すごいね、プロって。
初見の中だとヨーロッパ企画の諏訪さんだよな。
存在自体が反則というくらい面白い。
そういう役者は多々いるんだけど、呼吸や間の取り方が絶妙で、キャラ崩れせず、
脚本上のキャラクターを最大限引き延ばしていた。
役者として生き残っていくには、こうしたセンス(感覚と才能)が必要なのだ。
あと、気になったのは秋山エリサさん。
軟体なのは、見てすぐ分かる。これぞ、役者の身体だよね。素敵でした。
「夢を持て」というメッセージ性の強い舞台で、
演劇という手法であれば表現しやすいファンタジーな要素を持ち合わせ、
「人にとって大事なものは何か」を客席に強く訴えかけてくる
笑いあり、涙ありの個人的には大好きなハートウォーミングな作品でした。
欲を言えば、
1時間40分でまとめられる。
まとめてもよかった。
物語を無理に引き延ばしている感が気になった。
しつこさは仇になる。
このクオリティなら、
僕が終わったと思った頃合、1時間40分で終わっていたとして、
それでチケットが同じ5,000円でも、
文句は何一つ言わない。